2008年04月13日
川俣晶の縁側歴史と文化下高井戸周辺史雑記 total 4736 count

航空写真分析・下高井戸村分水が玉川上水から分かれれる分水点はかなり上流か

Written By: 川俣 晶連絡先

 国土地理院の航空写真(2540dpiの1948年3月29日米軍撮影のUSA M871 48)を購入して、地図との重ね合わせを実行してみました。

 これにより、高解像度の写真で明瞭に確認できる黒い筋が、どのあたりで玉川上水から分かれているかが確認できました。黒い筋が玉川上水下高井戸村分水だと仮定するなら、ここが分水点という可能性があります。かなり上流部になります。

 地図重ね合わせの精度の問題から、多少の誤差を含みますが、おおむね下記のA点がそれです。首都高速4号線と放射5号線の真ん中にピンを置いてありますが、間違いではありません。玉川上水は周辺ごとこの2本の道路の下に飲み込まれています。

 B点は、放射5号線の下から黒い筋が抜け出して北に向かうポイントです。それまでは玉川上水に沿っています。(おそらく)一般に下高井戸分水の分岐点とされているのは、B点付近だろうと思います。かなり差があります。

補足 §

 以下の点には留意が必要です。

  • より新しい航空写真(昭和30年代)を見ると、B点付近から直接取水しているようにも見えるが、詳細は不明 (しかも、水路の経路も違うように見える)
  • 分水の分水点は移動していることが珍しくないので、上記の点が絶対唯一の分水点とは限らない (たとえば北沢分水は2回移動しているらしい)
  • 便宜上ここではこの水路を「下高井戸村分水」と統一して呼んでいるが、下高井戸「村」分水と呼ばれていた時代の分水点ではない可能性がある

 残った疑問点は以下の通りです。

  • 航空写真で、水面は黒く写ると思うが、玉川上水本体は白く写っている。実際、分水と推定した筋は黒く写っている
  • 本当に黒い筋が水路であるかは完全には分からない
  • 農業用水と分水の違いは写真上で明確ではない (農業用水は割と頻繁に変更されている)
  • A点付近は林があるようで、木の陰になって把握できない何かが存在した可能性も否定できない
  • 写真と地図の重ね合わせで発生する誤差が何に起因するものか明確ではない

感想 §

 一応、以前から引っかかっていた問題はクリアになりました。

 しかし、まだまだ分からないことだらけです。

 特に、この分水が終わる点がどこか、はっきりしません。水路の終わりは容易に確認できるのですが、どこまでが分水なのかが明確ではありません。しかも、終わりの点は神田川に落ちる水路が変化しています。

 まあ、地道に行きましょう。まだ調べる余地はいろいろあります。

下高井戸周辺史雑記